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科学忍者隊ガッチャマン
『科学忍者隊ガッチャマン』(かがくにんじゃたいガッチャマン)は、タツノコプロが制作したSFアニメ。1972年〜1974年に放送されたテレビアニメ版(全105話)と、1994年に制作・発売されたオリジナルビデオアニメ(OVA)版(全3話)がある。テレビアニメ版はその後、1978年と1979年にシリーズ第2作・第3作が制作・放送されている(続編の詳細は下記「科学忍者隊ガッチャマン#終了後の展開と影響|終了後の展開と影響」と「科学忍者隊ガッチャマン#関連項目|関連項目」を参照)。
概要
テレビアニメ版は1972年10月1日から1974年9月29日までフジテレビジョン|フジテレビ系で毎週日曜日18:00 - 18:30に全105話が放送された。2年間の平均視聴率は約21%(タツノコプロの保存資料によると平均視聴率17.9%、最高視聴率26.5%)。タツノコプロ企画文芸部の鳥海尽三と陶山智によって企画が練られた。鳥海によると、『忍者部隊月光』、『世界少年隊』といった吉田竜夫の漫画は特に意識した訳ではないというが、結果的に少年少女によるチームが敵と戦う構成は踏襲することになった。一方、プロデューサーの九里一平は、前述の2作をベースにしたとし、太平洋戦争が舞台の『忍者部隊月光』では夢がないので科学忍者としたと述べている。吉田竜夫と九里一平のデザインによる斬新なコスチューム・キャラクター、SF作家小隅黎(柴野拓美)によるSF考証、中村光毅のデザインしたメカニックとそれを演出した本作が監督デビューになる鳥海永行によるメカ描写が未来的でリアルな物であったため、その後のSF・ヒーローアニメの方向性に多大な影響を与えている。当初は巨大メカと戦う低年齢向けのアクションものとして開始したが、公害・科学・戦争などの現実的でシリアスなテーマ、肉親の情や過去といったドラマ性など、子供向けアニメの枠に収まらないエピソードが人気を呼んだ。好評のため1年間の放送予定が延長され、タツノコプロを代表するサイエンス・フィクション|SFヒーローアクションものとなった。また、作画の品質、技術力は当時のアニメの水準を遥かに超えたものであり、制作から30年以上経過した2006年現在のアニメと比較しても見劣りしないものである。連続テレビアニメでありながら、1話あたりのセル画枚数は平均5千〜6千枚に及び、1万枚を超えた驚異的な回もあった。第1話「ガッチャマン対タートル・キング」は特に秀逸とされ、怪獣映画のスケール感があると評価された。後のオリジナルビデオアニメ版でこの回のリメイクが試みられている。作画面では同じく劇画タッチだった『アニメンタリー 決断』から引き続き、作画監督の宮本貞雄をはじめ、須田正己、湖川友謙、井口忠一らが参加。さらに前番組の『いなかっぺ大将』から二宮常雄らが加わり、『決断』での経験も活かされて、当時のテレビアニメの水準を遥かに越えるリアルタッチの作画でタツノコプロの名を高めた。主役を演じた森功至は『マッハGoGoGo』以来の吉田竜夫のお気に入りの存在。本作の仮タイトルには「科学忍者隊バードマン」や「科学忍者隊シャドウナイツ」があったが、広告代理店の読売広告社の松山貫之専務による発案により『ガッチャマン』に決定。松山によると、メカが合体するときの「ガッチャン」という擬音から発想したというが、「まるでギャグものだ」とタツノコプロのスタッフ側からは不評であったという。何となくフィーリングでつけたため、「ガッツとマンでガッチャマン」と説明されることもあった。作品内の設定では、「ガッチャマン」とは、科学忍者隊のリーダーの称号である。正確に呼ぶならば、リーダーの大鷲のケン以外の四人は「ガッチャマン」ではなく、単に科学忍者隊の隊員、ということになる。敵方の「ギャラクター」は過去のタツノコプロ作品『宇宙エース』に登場するSF作家の広瀬正が名付けた敵キャラクターの名前を再利用したもの。山猫からつけられた「ベルク・カッツェ」などというネーミングともども、インパクトの強さを狙って、スマートすぎない名前にした、との関係者との回想がある。また、熟慮の上キャスティングされた声優陣も好評で、南部博士役の大平透は、当時タツノコプロ作品では『ハクション大魔王』などギャグアニメの印象が強い声優だったが、本作ではシリアスな役柄にもかかわらず、あえて起用に踏み切り成功した。ベルク・カッツェのキャラクターは最初から細かく設定されていたわけではなく、カッツェを演じた俳優・寺島幹夫の独特な演技にスタッフが影響を受け、あとから肉付けされた部分が多いと言う。タツノコプロの金字塔とも言うべき作品に仕上がったにもかかわらず、企画の鳥海尽三は、ガッチャマンの設定について「(後から思うと)あまりにもずさんで荒唐無稽だった」と後悔し、この思いが、鳥海が『小説・科学忍者隊ガッチャマン』(1989年発表)を書く動機になった。
終了後の展開と影響
本作の成功により、『新造人間キャシャーン』『破裏拳ポリマー』『宇宙の騎士テッカマン』といったヒーローものが続いてタツノコプロの一つの路線を構築した。この人気により『宇宙戦艦ヤマト』に始まるアニメブームで、1978年7月にアニメ映画として公開。テレビ版の再編集だったが、音響面では「超立体音響フェニックスサウンド4ch」を謳い、音楽はすぎやまこういちが新たに担当し、NHK交響楽団が演奏を行うという力が入ったものだった(NHK交響楽団がアニメの音楽を演奏したのはこの時が初めてで、音楽業界ではちょっとした事件のように言われた)。同年10月から続編『科学忍者隊ガッチャマンII』、『科学忍者隊ガッチャマンF(ファイター)』の制作が開始された。さらに1994年には『新造人間キャシャーン』に続いて、タツノコ作品ファンというアニメーター梅津泰臣により、キャラクターデザインを現代風にアレンジして、オリジナルビデオアニメ(OVA)で3話が製作されている。さらに2000年秋には、アイドルグループのSMAPがガッチャマンに扮するNTT東日本のテレビコマーシャル|CMが放映(CM演出は「下妻物語」などの中島哲也)。それと連動してWebサイトでは、さとうけいいち監督、羽山賢二がキャラクターデザインと作画監督を務めた新解釈によるアニメ版が公開された。九里一平によると、当時人気だったテレビ特撮ものでは出来ないことをやろうとの意図で、メカの合体や変形、金属質の表現に挑んだというが、別の形で影響を残している。キャラクター構成において「ニヒルな脇役(或いは主人公のライバル)」「紅一点の戦うヒロイン」「ムードメーカー(或いは三枚目担当)」をヒーローに加えて5人組像を確立したこと。劇画タッチのキャラクター。これらは後に続く『ゲッターロボ』『超電磁ロボ コン・バトラーV』といったアニメや、『秘密戦隊ゴレンジャー』に始まるテレビ特撮(「巨大ロボットアニメ」「スーパー戦隊シリーズ」など)の作風に影響を与えた。そのコンセプトをモチーフにした作品が「鳥人戦隊ジェットマン」である。
氷川竜介「ガッチャマンと0テスター 巨大ロボットの出ない巨大ロボットアニメ」『動画王』1号、キネマ旬報社、1997年。2007年春に日活製作で実写映画化されることが決定した。監督・役者などの詳細は未定。

